人生にはコゲつく日もある。
品質というものは一定していてこそ、商品サービスの対価となりうると思うが、あえてファジーさをウリにするケースもある。
こちら月島の渋いパン屋さん。
相当年季の入った昭和な店構え。
このラインナップ。
素晴らしい「焦げ感」。
初めて食べたのは タマゴサンドだった。
軽い焦げ目のついた皮のパリパリとした食感と、その皮に無造作に振られた塩のパンチ力。そして甘い具。一発で虜になってしまった。
翌日、懲りもせずにタマゴ サンドを頼むと、なんと具の量が半減していた。焦らせ感。むう。
そして一緒に頼んだハムカツサンド。
ハムカツが、硬い。焦げて、硬い。しかし柔らかいキャベツとの相性が良い。
翌日はカツサンドを頼んでみた。
硬い。前日のハムカツよりも厚めの肉が、硬い。しかも、揚げた焦げ感。後を引く硬さだ。
翌日は、変化球的にアンデニッシュ。
…。焦げデニッシュか。
これはこれ。ギリの焦げ感が、甘さを引き立てている。
翌日はハンバーグサンド。
グッとボリューミー。中身は、ハンバーグと言うよりは、ツナギ揚げ。肉が少ない分、老齢には向いているのだ。きっと。
あっと言う間に1週間が過ぎてしまった…。
翌週月曜日のメニューはカレーパン。
非常にオーソドックスなカレーペースト。甘すぎず辛すぎず。皮の焦げも少な目。でもカリッと揚げてあり内側との食感の違いが楽しい。
翌日はクリームパン。
これは!ホームラン級!好みの味。甘くない。クリームなのに、甘過ぎない。しかも、それでいて、しっかりしたクリームの粘度がある。
翌日はタマゴハムサンド。
この日は久々の晴れ間で気温が上がっていたためか、心なし塩辛い味付け。流石だ。汗をかくことを計算済みである。
翌日は謎のミックスサンド。ショーケース越しでは、何がミックスされているのか、皆目見当がつかない。
一口かじると、そこにはキャベツとキュウリのコールスローが、細々と挟まれていた。このコールスローが、また、しょっぱい。このしょっぱさだから、この少ない量なのだ。これがまた後を引く。パリッとした皮の次にフワッとした生地、そしてシャキッとしたコールスロー。見事な調和である。
翌日。1番の黒い作品、コロッケサンドをチョイス。
物凄く大きい。サンドからはみ出ている。そして一口頬張ると、程よい衣のカリカリ感とトロトロした餡が絶妙。キャベツのサクサク感も良し。量的に満腹感も満たす。
結局、2週間、取り憑かれるように毎日食べてしまった。こういう昭和なお店には、いつまでも頑張って欲しいものです。
ちなみに、パンを1つ買っても、必ず30円のアンドーナツをサービスしてくれます。
これがまた旨い。
全商品制覇するまでは、通わなくては。